アペンゼラー

今年は、アペンゼラー宣教師が朝鮮に宣教師として来て130周年になる年です。彼はアメリカ人で、1884年12月に結婚し、その次の年の2月に船に乗って太平洋を渡り、横浜に着きました。そして、朝鮮のジェムルポ（現在のインチョン）港に福音を持って入りました。その時が1885年4月5日午後3時、復活祭の午後でした。彼が27歳の時でした。彼は44歳の若さで天国に行く前までに、貧しさと病、無知に満ちていた朝鮮を起こし、命の光を与えてくれた朝鮮の恩人でした。彼は、宣教が難しかった時代に、まず西洋式の学校を建てました。それが、培材（ベジェ）学堂でした。
最初はとても大変だったそうです。入学生のある一人は神様を信じなくて「神様が雨（rain）を降らせてくださる。」という英文を読まなくて拒否したそうです。ある学生は、英語の勉強が難しくて出てしまったり、またある学生は最初は意欲的に入ったけれど、家に急用ができて行って来ると言い残して戻らなかったようです。そのような培材学堂が、徐々に落ち着いてきました。ちょうどその時に、科挙制度が廃止（1894年の甲午改革より）され、士人たちが官職に行く道がふさがっていたそうです。それでとても落胆した人の中のひとりが、李 承晩（イ・スンマン）だったそうです。青年李 承晩は、科挙で首席合格を夢見ましたが、今まで勉強してきたのが無駄になってしまったのです。それで彼は、仕方なく培材学堂に入りました。アペンゼラーを師匠として、英語と西洋の新学問を学び、イエス様を自分の救い主として受け入れ、宣教師たちの助けによりアメリカに留学することができました。彼は、大韓民国の初代大統領になりました。李大統領は、大韓民国の初代国会を開く時に、メソジスト派の牧師であるイ・ユンヨン国会議員に最初に開会の祈りを頼んだそうです。その祈祷文の一部は下記のようです。
「この宇宙と万物を創造され、人間の歴史を摂理する神様、
この民族を見てくださり、この地を祝福され、感謝の満ち溢れる今日があることに、私たちは主に心を込めて感謝致します。
神様、願っていなかった民の苦しみが長くなればなるほど、この地に悪魔の力が広がりますが、
神様の聖なる栄光は、この地に必ず来るということを私たちは思います。
願わくは、朝鮮の独立と共に南北が統一されますように、また民の祝福と世界平和をお与えください。
神様、この会議の司会者である議員長からわたしたち議員一同に健康をお与えください。
また、ここで良心の正義と威信をもって、この業を成し遂げることができますようにお助けください。
歴史の一歩を踏む今日の私たちの歓喜と、感激に満ち溢れる民族的な喜びを、すべて神様に栄光と感謝としてささげます。」
李 承晩大統領だけでなく、 徐　載弼（ソ・ジェピル）、 羅　稻香（ナ・ドヒャン）、 金　素月（キム・ソウォル）、 周　時經（ジュ・シキョン）など、たくさんの人々が培材学堂を通して学問を学びました。
そしてアペンジェラーは、 培材学堂を通して西洋のスポーツも伝えました。野球、サッカーなどがそうです。何より彼は宣教師だったために、キリスト教の福音を韓国に伝えました。韓国最初のメソジスト派教会である貞洞（ジョンドン）教会をはじめに、メソジスト派教会は韓国に広まって今は160万人を越えるすごい実を結びました。一人の宣教師が朝鮮に来ることによって、国の信仰だけでなく、政治、教育、文化、体育などの面に素晴らしい変化をもたらしました。アペンジェラーの韓国宣教は、一粒の麦が地に落ちてどれほどたくさんの実を実らせることができるかをよく見せています。
日本も、望みがあります。
イエス様の命の種が落ちてよく育てればいいです。アペンジェラーが130年前に朝鮮にはじめの一歩を出しながら切に祈ったように、私たちも日本のために一緒に祈ってほしいです。
「今日は復活祭です。この日に死の力を破った主が、この民を縛っている縄を切られ、彼らに神様の子どもが得られる光と自由を得ることができますように。」