命の木

聖書に「命の木」に関する話が何回か出てきます。聖書の一番最初にある『創世記』に、エデンの園に命の木が善悪を知る木と一緒にいたことが書いてあります。アダムとエバは善悪を知る木の実を取って食べてしまいましたが、命の木の実は食べられませんでした。そして、聖書の最後にある『ヨハネによる黙示録』には、また命の木の話が何回か現れます。勝利を得る者には命の木の実を食べさせると書いてあり、天国の川の両岸には命の木があって、毎月実をみのらせると紹介されています。
ところで、その大事な命の木が箴言にも何回か出ています。
「癒しをもたらす舌は命の木。よこしまな舌は気力を砕く。」（箴言15章4節）
これを「現代人の聖書」では、「温かくて優しい言葉は命の木のようなもの。残酷な言葉は人の心を傷つける。」と訳されています。結局、「ことば」です。言葉が命の木です。人生の命の木は、口から現れます。命の木は、人生の中で一番大切です。エデンの園でも一番大切でした。アダムも食べられませんでした。この命の木は、世に命の実を与える大切な木です。この実をもらって食べる人は皆生きられます。人々は皆この大切な命の木を持つことができます。しかし、命の木を実際に持っている人は多くありません。自分の舌を誤って使うからです。命の木として使えるのに、死の木と変えてその口の言葉で人を殺しています。
韓国のある有名なお笑いタレントの話を紹介しましょう。彼女は、自ら自分はよく悪い言葉を言う人だったと言いました。悪口を言わないと、ご飯を食べた後口をゆすいでないような気がするくらいだったそうです。彼女は、特に自分の息子に17年間も悪い言葉をたくさん言ったそうです。「バカヤロウ、アホ、マヌケ…」毎日、パソコンの前に座っている息子に、「勉強しないでパソコンばかりすいると、物乞いになっちゃうよ、バカヤロウ。」学校に行かないで遊んでいる息子に、「お前が校長かよ、このやろう！校長もそうはしないよ、ばか。」朝起きれなくて寝坊している息子を起こしながら、「このやろう、早く起きてご飯食べて学校行っちゃえよ、ばか！」「もう朝だよ、バカヤロウ！」このように、常に息子に悪い言葉をたくさんかけたそうです。これに怒った息子は、我慢できずに拳で壁をたたいて穴ができたりしたそうです。これが悪循環になって、息子はどんどん悪い行動をし、お母さんの言葉ももっと汚くなりました。
このようなお母さんが、ある日神様が悟らせてくださり、悔い改めて祈りながら絶対に息子に悪い言葉を言わないことにしました。その次から、実際に息子に悪い言葉を話しませんでした。そして少し時間が経ちました。息子に驚く変化が現れました。息子が自ら勉強をしはじめたのです。それだけなく、4年間奨学金をもらって牧師になるための神学校に入ったそうです。
変化は変化をもたらします。お母さんが変わると息子が変わり、妻が変わると夫が変わり、夫が変わると妻が変わります。自分が変わると相手が変わります。
何より、言葉を変えなければなりません。言葉が命の木だからです。口から命が出ると、すべてが命に変わります。お母さんの口が命の木に変わると、息子にその命の実が結ばれます。
言葉を変えるべきです。悪い言葉を言ってはいけません。残酷な言葉を言ってはいけません。刀のような言葉は口に出さないべきです。特に、感情が入った言葉に気をつけるべきです。怒った感情が与える言葉は、相手を殺す毒が入っています。このような言葉が相手の心に入ると、それはすぐ消えるのではなく、何十年も残って相手を苦しめます。死ぬまで苦しめます。
神様の人は、口が命の泉になるべきです。やさしい言葉、温かい言葉、親切な言葉、愛の言葉、良い言葉、肯定的な言葉、感謝の言葉が出なければなりません。その時、その口でたくさんの魂を生かせる奇跡が起こるでしょう。
今日も奇跡は起こります。口の奇跡がある人を通してです。口が、命の木です。