虎皮

トラは死して皮を残し、人は死して名を残すと言う諺があります。諺であるため、特にトラの話は心に響かないかもしれません。トラは怖い存在ですが、もしかすると人々に何の有益も与えることの出来なぱ物かもしれません。しかし、そのような動物さえも死ぬ時には皮を残します。言いかえれば、世の中に多くの有益を残すことを意味します。時代劇や昔の資料によると虎皮は非常に珍しい物であったようです。臣下が国のために大きな功労を立てた時に王から与えられる物が虎皮であり、我が国が中国の皇室にささげた貢ぎ物が虎皮であります。昔は虎皮があれば立派な家を十分に買うことが出来たそうです。そのため、トラが皮を残すと言うことは今には考えられないほどの素晴らしい物を残したことになります。
ところで、トラが残した皮よりもさらに価値のある物は人が残す物です。人は名を残すと言います。人に残される偉大な名はお母さんです。子供に向ける犠牲的な愛のため、人々は亡くなったお母さんを恋しく思い、心から尊敬します。何も惜しまず、自分の身などかえりみず、すべてを子供に降り注ぐお母さんの愛を思い出す度に人々はその恩恵と感謝と感激と恋しさのために涙を流します。
しかし、世の中で最も偉大な名を残した方はイエス様です。イエス様はわずか33年という短い人生を生きておられましたが、あらゆる名にまさる名を全人類に残されました。イエス様の御名は全人類に永遠なる希望であり、完全なる能力であり、変わらぬ喜びとして残っています。今もイエス様の御名を呼び求める者は救われ、癒され、イエス様の御名に世のすべてが跪きます。イエス様は絶望の中にあった世の中に希望の名をお与えになりました。イエス様の御名はトラの皮よりもはるかに尊い価値があり、世の中のどんな力よりも強いです。イエス様の御名の力は世の中に驚くほどの影響力を及ぼしています。イエス様の御名には世の中を変える力があり、世の中の暗闇を光に変える力があります。
人は名を残します。残された名は死んだ後にも影響力があります。ところが、人は自分が生きた人生通りに名を残します。別れの時の最後の姿がずっと残されるように人が生きた人生は死んだ後にも影響を与えます。
結局、どのように生きるのかが大事です。生きた人生によって人の名は影響を与え続けます。人々は長く生きることに非常に関心があります。そのため、自分の健康のために食べ物にとても気を使います。しかし、生きた年数はそれほど重要ではありません。イエス様は33年しか生きられませんでした。長く生きることが人の名を作るのではありません。長く生きることよりもどのように生きるかに目を向けるべきです。
それではどのように生きれば良いのでしょうか。イエス様のように生きれば誰よりも偉大な人生を生きることになります。お金のためでも健康のためでもなく、隣人のために、イエス様のために、十字架を背負う人生があなたの名を力のある名に作り上げるでしょう。
'わたしがキリストに倣う者であるように、あなたがたもこのわたしに倣う者となりなさい。'
(コリントの信徒への手紙一11:1)
あなたはどんな名を残したいですか。今、死ぬとしたら残されるあなたの名は世の中にどんな姿として残るのでしょうか。