芸能人
 
 
イ・チソン姉妹が日本にしばらく滞在していた時のことです。チソン姉妹と彼女のお母さん、そして私が一緒に電車に乗りました。「牧師先生、日本では出かけるがとても楽です。電車に乗っても私を見る人が一人もいませんから。」そう言えば、人々はチソン姉妹を特別扱いしないで普通の人と同じように接していました。
チソン姉妹は自分の著書で次のように話しています。
「家族と旅行先で寄った休憩所で、皆で楽しくお話をしていた時でした。誰かが私を見ているような気がしたのでそこを見たら、ある女性の人が私を見て何か話をしているようでした。そうしたら一緒にいた男性の人も、何度も私の方を振り向いて見ていました。私と目が合うと視線を避けました。」このような状況になると、チソン姉妹はとても残念な気持ちになると言います。病院に入院していた時も人目を避けて誰もいない夜にだけ廊下を散策していたそうです。障害者の立場から見ると、誰かが哀れな目で自分を見ながら何気なく話しているこどが、一番傷つくことだそうです。チソン姉妹は、世の中の人々に次のようにお願いことを言いました。
「皆さん、障害者を見かけても、何度もその人を振り向いて見ないでください。その人を見て心の中で思っていることを口に出さないでください。皆さんが何気なく言っている言葉と何秒か止まっている視線、かわいそうだと下を打つ行動などが障害者達を家に引きこもらせています。くれぐれもこのことを忘れないで欲しいです。」
他人の失敗や弱点が会話の話題になってはいけません。それは決してその人に関心を持ってあげる
ことではありません。むしろ、知らないふりや見ていないふりをしてあげることがその人を配慮して
あげることになるのでしょう。人は誰しも、自分の弱点が他人に知られたり話題になったりするのを
望んでいません。弱いものは関心を持てあげればあげるほど更に弱くなるし、強いものは関心を持ってあげればあげるほど更に強くなります。関心を持ってあげることがその人を慰めるどころか、むしろその人を委縮させて心を痛くさせることだという事実を忘れてはいけません。
この場合は、無関心こそ真正の配慮であり、その人を助けてあげることなのです。
しかしチソン姉妹は、自分への人々の視線を次のように受け入れようと考えました。「私は芸能人だ。
私が芸能人だから、皆が私ばかり見ているのだ。」
そういえば、芸能人と似ていることが多いことに気づきました。 人に気づかれるから大衆交通を利用するのが難しい、 飲食店にもなかなか行けない、食事中の人々が何度も自分を見る、（チソン姉妹の場合は、人々が食べるのを止めて見るそうです。）整形手術の経験がある（チソン姉妹は整形中毒の疑惑を受けています（笑））。。。
チソン姉妹は、「私は芸能人だから皆が見ているのだ」と思いながら数年間過ごしていたら、いつの間にか実際に芸能人のような人になっていたそうです。なので彼女は、よくテレビなどに出演したりします。
考えが重要です。「私は重度の火傷を負った障害者だ。私は指を８本も失った人だ」ではなく、「私は芸能人だ。私は少し特別な芸能人だ。」という考えが彼女の心に平安を与えて、堂々と世の中に出させてくれました。それだけではなく、芸能人を感動させる特別な芸能人になりました。
自分が置かれている大変な環境が、自分の弱みが、自分自身を支配しようとする誘惑がしょっちゅう
訪れます。その度に自分自身に対する考えを変えなければなりません。
世間の目は重要ではありません。自分が自分自身をどう思うのかが自分の人生を左右させます。
「私は芸能人だ。」