木と根

ユ・ジョンオクさんの文章は多くの人に感動を与え、恵みを感じさせます。

牧師の妻であるユさんは教会で聖徒たちとの葛藤が多かったと告白します。髪の毛が長ければ長いと短ければ短いと非難され、垢ぬけた着こなしだと贅沢だと言い、素朴な着こなしだと田舎くさいと非難されました。聖徒たちの要求に応じていた彼女は疲れてしまい、誰の話にも耳を傾けなくなりました。そうすると聖徒たちは牧師の奥さんでありながら自己中心だと非難し、彼女を祈祷園に行かせ、断食しながら悔い改めさせるようにと牧師に要求しました。そうさせなければ自分たちが教会を出ると脅かしました。とうとう牧師は妻を断食祈祷園に追い出しました。祈祷園に行った彼女は悔しかったです。聖徒たちの話ばかり聞く夫が恨めしかったです。 '自分の身は顧みず教会の仕事を一所懸命手伝ったのに今になって私のせいで牧会の仕事が出来ないですって？いいわ！一人でやってみれば！教会が1年でそこまで復興したのは誰のお陰なのか分かったほうがいい。賞賛ともてなしはすべて自分一人で受けて、一体私は何なの？教会が復興するほど私には大変な仕事ばかりが増えて少しでも仕事が上手くいかないと私だけが非難され…一体私が受けたのは何なの？'

食欲がないため、余儀なく断食をしながらお祈りを捧げた後、彼女は戻って来る道端で根ごと抜かれた大木を見て悟られました。 '根と木！そう、私は根で主人は木なのよ。根が木に向かってなぜあなただけが人々に褒められるのかと不満を言いながら地面に出てくれば木も根も死ぬ。こんなに葉がいっぱい生え、人々と鳥たちが訪れる素晴らしい木になれたのは暗闇と岩と砂利を貫いて深々と根を下ろし、栄養分と水分を供給する根があったからでしょう！'

彼女は直ちに荷物をまとめて家に戻りました。

多くの人が彼女に聞きます。牧会の仕事を上手く手伝うにはどうすればいいかと。家の平和を維持するにはどうすればいいかと。その都度、彼女の答えは同じです。 'ひたすら土の中に埋められている根になればいいのです!'

夫婦関係だけではなく、すべての人間関係には根がなければなりません。根がなければ、立っていることも栄養分を供給されることも成長することもできません。根は本当に大切なものです。根が死んでいればどんなに元気な木も結局は死んでしまいますが、根が健康だとたとえ幹がすべて切られた木でも再び生え茂ります。命は木ではなく、根にあるのです。ところが根は目には見えません。目に見える瞬間、根は既に根の機能を失います。根は深いほど根の使命を成し遂げる根らしき根になります。深い根は木をしっかり支えるため、台風が来てもびくともしません。深い根は深い泉に根を下ろしているため、かんぱつが来ても渇きません。根は地面に出るほど悪い根であり、深く根を下ろすほど良い根であります。

根はあえて自分を地面に出す必要はありません。根はすなわち木であり、根と木は一心同体なのです。聖書では根と木のように夫婦を一つの体であると言っています。夫の成功はすなわち妻の成功であり、夫の栄光はすなわち妻の栄光であります。夫婦は一つの体であるから絶対に戦うことは出来ません。妬むことも、競争することも出来ません。ただ相手を愛し、ただ相手に仕えるのみです。