人

人にとって最も致命的な存在は何でしょうか。
ＷＨＯから発表されたことによると、1位は蚊、3位は蛇、4位は犬、8位は獅子、10位はサメだそうです。そして驚くべきことですが、2位は人間のようです。毎年蚊によって死ぬ人が725,000名であり、人間によって死ぬ人がおよそ475,000名だそうです。もちろん、蚊は脳炎、マラリアなどの多くの病原菌を移します。それで、多くの人が犠牲になるのは理解できます。しかし、人はいかがでしょうか。ニュースを見ると、ほぼ毎日のように殺人事件が起こっています。敵を殺すのは普通で、配偶者を殺す話や、子供が親を殺すこともあれば、兄弟の中で殺し合うこともあります。隣人同士なのに層間の騒音問題で殺人までなることもあります。夜道を歩くとき、「獅子よりも人に出会うのがもっと怖い」という話もあります。
虎も獅子も互いに殺し合うことはありませんが、人は殺し合うことを恐れません。テロや戦争でも、実に多くの人を殺します。初代教会の時には、イエス様を信じるという理由だけで石で殴られ殺されたこともあり、公開的に獅子のエサにされたことも多くありました。人は人にとって本当に怖い存在です。
このような意味で、私たちが他人に被害を与えないという事だけでも大したものです。被害を与えないだけで保護されるからです。
もしかして、蚊より人がもっと多くの人を殺しているかもしれません。直接的な殺人だけでなく、間接的な殺人も多いからです。他人の心に傷を与える殺人を多く行っているからです。誰かが自分に言葉や態度で傷つけたのが、結局自分を殺すよりももっと苦しませ、苦痛に押し入れることが多いからです。肉の殺人より心の殺人のほうがもっと怖いです。それは、この世では罰を受けないものの、相手に対して肉の殺人よりもずっと長くて多くの苦しみや痛みを与えるからです。
言葉で人を傷つけることに対して、聖書でも多くの警告が記されています。
「軽率なひと言が剣のように刺すこともある。知恵ある人の舌は癒す。(箴言12章18節)」
「癒しをもたらす舌は命の木。よこしまな舌は気力を砕く。(箴言15章4節)」
心の殺人は法的では罪が成立しませんが、実際的には人を残酷に殺す行為です。
聖書では兄弟を憎む人は人殺しだと言われました。そして、イェス様は敵を愛しなさいと言われました。イェス様は人が人に最も脅威的な存在であるということをご存知でした。カインがその弟であるアベルを石で殴り殺した事件から、この事実は証明されています。
人が人らしく生きるためには、お互いに愛し合いながら生きるべきです。互いを殺そうとする人は獣より劣る人です。
神様は愛です。神様にかたとって創られた人間は当然愛で生きるべきです。同じ種族同士で殺さない、被害を与えないだけでは動物の水準に過ぎません。人の水準は違います。お互いに愛し仕え、相手のために慰めて助けなければなりません。敵が喉が渇いたら飲む水もあげるべきです。それがイェス様の人生でした。信仰の人は、殺し合うサタンに似てはいけません。他人は生かせて自分は死ぬイェス様の十字架が人生の姿になるべきです。その時、その人がいる所には死の力が去って行き、とこでも天国になれるでしょう。
信仰の人は人を殺しません。行動だけではなく、言葉や考えでも決して人を殺しません。信仰の人の考えと唇は生命の泉です。