心配ウィルス

信仰の人であるジョージ・ミュラーは、「思い煩いの始まりは信仰の終わりだ。だが、信仰の始まりは思い煩いの終わりである」と言いました。
「思い煩いは、何もかも神にお任せしなさい。神が、あなたがたのことを心にかけていてくださるからです。 (ペテロの手紙一5章7節)」聖書には、心配するなという内容の御言葉が365回に出ています。毎日思い煩うことのないように、目を覚まして祈っていなさいという意味です。
信仰の人の代表的な姿は、心配がないことです。そのような人は常に喜び、どんなことにも感謝する人です。
ナポレオンの話をあげましょう。
世界を支配したナポレオンは「一番怖いときがいつだったのか」と聞かれた時に、彼は突飛な返事をしました。一週間に一回、理髪師に髭剃りをしてもらうときだといったそうです。もし、その理髪師が敵に買収された暗殺者に仕立てられた人であれば、すぐにでも自分の首を切ることができるからだそうです。首に合法的にナイフをあてられる人、完全に武装解除された状態で首にナイフをあてられる人が理髪師です。実は、私もこのように考えたことがあります。しかし私は恐ろしさよりも、髭剃りをしてもらうと料金が高くなるから、理髪をするときはカットのみにします。
もちろん、ナポレオンは理髪師のナイフで死んだわけではありません。ただし、毎週髭を剃る度に思い煩いによって苦しんだだけです。多くの人々は起きてもないことを先に心配しながら自分を苦しめます。一周の心配病にかかっているのです。
人の頭は時制を感じないと言われてます。そのためにまだ起きていない未来のことですが、悪い結果を想像するだけでも只今起きたことと同じく体は生々しく認識するようです。つまり、無い苦痛を自ら作って苦労しているというです。思い煩う人は、自分を自ら破壊する人です。
思い煩いは、人生において一番悪いウィルスです。風邪のウィルスは体だけが何日か苦しみますが、思い煩いは人生のすべてを揺さぶります。
他人のことを一緒に心配してあげることは美徳ではありません。
昔話で次のような話があります。あるおばあさんに息子が二人いて、一人は傘売りで、もう一人は草鞋(わらじ)売りでした。それで、このおばあさんは雨の日には草鞋売りの息子を心配し、晴れた日には傘売りの息子を心配したそうです。もし、このおばあさんが雨の日には傘売りの息子を考えて、晴れた日には草鞋売りの息子を考えたら、その人生はいつも喜びのなかで生きることができたのでしょう。
イェス様は言われました。「あなたがたのうちだれが、思い悩んだからといって、寿命をわずかでも延ばすことができようか(マタイ6:27)」
思い煩いは問題を解決するのではなく、むしろ無い問題も作ってしまいます。
信仰がある人は心配がありません。ただお祈りがあるたけです。
この世の思い煩いは、御言葉を窒息させる霊的なウィルスです。だから、心配がある人は御言葉の実を結ぶことができません。しかし、お祈りは違います。お祈りは思い煩いのウィルスをなくします。思い煩いが私たちの体に癌のような存在であれば、お祈りはＴ細胞のような存在です。Ｔ細胞が健在であれば、癌が私たちの体を支配することができません。お祈りにいつも眼覚めている人は、絶対に思い煩いのウィルスに支配されません。
「どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。(フィリピの信徒への手紙 4:6)」