安全不感症

ある世論調査によると、韓国の安全不感症はとても深刻なレベルだそうです。
「我が社会の安全不感症についてどう思うか？」という質問の世論調査で、応答者の98.1％が深刻だと答えました。そして、安全不感症が深刻な原因について、45.6%が適当主義のためだと答えました。工事場のあちこちに「安全第一」という文字を大きく張っておきますが、実際には安全が第一ではなくて実績が第一です。手抜き工事は問題になりません。目に見える結果が早く出されることが、我が社会の目的になってしまいました。それで、マンションも崩れて、橋も崩れて、船も沈んでしまう悲惨な結果をもたらしてしまいました。
ある大学の社会学科教授の言葉は、私たちの痛い現実をそのまま表しています。彼は、「安全規範を守る人を、臆病者だとからかう社会の風土が問題だ。」と話しました。韓国社会は、適当に要領良くする人が能力のある人として認められ、いい待遇を受けます。法律通りにしたり、一つひとつ慎重に安全を点検しながらする人は、仕事がうまくできない人として扱われるのが現実です。
法通りにする人を、もどかしい人だと扱ってはいけません。規則通りにする人を、融通の聞かない人だと罵ってはいけません。交通信号を守る人を、生真面目だと非難してはいけません。彼らを安全の見張りとして感謝する世を作ると、安全不感症は治療されるでしょう。そうすると、この世の手抜き工事はなくなると思います。
人々の心の中にある基準が実際の基準です。その基準が変わらないと、いかに法を強化してもそれは徒花に終わることに過ぎないでしょう。現実は、人の心の基準によって左右されます。心の基準は政府が変えることではありません。私たちが自ら深刻性を感じて変える時こそ、社会が変わり、国が変わることになると思います。
人々は何かが起こると、よく他人のせいにしようとします。自分は問題がないのに、他の人が問題だと思います。これこそが深刻な問題です。皆が他人が変わることを待っているから、深刻性は皆知っているものの、変化がありません。答えは簡単です。深刻性を他のところにおくのではなく、自分自身におくことです。「私が問題です。私の安全不感症が深刻なレベルです。」国民が皆このような心持だと、世が変わるのは時間の問題でしょう。総体的な安全不感症、まさにその通りです。適当主義が問題だ、本当にその通りです。しかし、この問題の解決が他の誰かから来るという期待はありえないでしょう。自分こそがその適当主義の主犯です。自分が変わらなければなりません。皆がこれを信じればいいです。社会の深刻性より、まず自分の深刻性を悟るべきです。社会を構成する人は、自分だからです。「主よ、私が問題です。私が変わりたいです。」社会の構成員は私たち個人ですから、社会の望みは私たち個人一人ひとりにあります。決して誰かが与えることではありません。
この事を誰から始めるべきでしょうか。それは、クリスチャンたちです。クリスチャンは、世の中で生まれ変わった人々です。クリスチャンは世の光です。世に対する裁きの刃物を、自分自身に対する手術の刃物に変える時こそ、世は光を回復することになるでしょう。