サイフォンの原理

トイレは、人間の生活に欠かせない重要な空間です。動物にはトイレがありませんが、人には必ずトイレが必要です。人は食べないと死ぬし、食べると必ずかすを体から排出しなければなりません。子供の頃、田舎では普通トイレが家の外にありました。昔のトイレは不潔で臭いがひどかったからです。夜トイレに行く時は、必ず大人を起こして一緒に行っていたことを思い浮かべます。
ある西洋人宣教師の笑えない話もあります。神様の御心により奥地に宣教使役をすることになりました。その時、彼は他のものは持っていかなかったのですが、宣教地にトイレの便器だけは持っていたそうです。今は、いわゆる化粧室は、便をする便所ではなく、もっときれいに化粧することができる化粧室になっています。臭い化粧室はあまりありません。本当にきれいです。デパートのトイレだけではなく、公衆トイレもきれいです。
現代の水洗式トイレは、18世紀に作られたそうです。トイレに臭いがしない一番大きいな理由は、「サイフォンの原理」のためです。もしトイレの便器に水が残っていなければ、下水口とトイレが直接つながっているために、トイレに下水口の強烈な臭いが続くでしょう。ところで、下水口と便器の間に水が少し残っているために、下水口の臭いは決してトイレに入ることができません。これは、サイフォンの原理を利用した排水方法のおかげです。わざと便器の配水管を逆U字の形に作り、汚い水は流して最後のきれいな水を少し残しておくのです。
人も、臭いがする人がいます。トイレの臭いは我慢すればいいですが、人の臭いは本当に大変です。この臭いはもちろん、体の臭いではありません。代表的に貪欲の臭いです。世の貪欲でいっぱいになっている人は、会ってみると必ず臭いがします。すぐその場を避けたいほど臭います。そのような人は、心にサイフォンの原理である逆U字の排水口を設置すべきです。そうでなければ、貪欲の臭いは出るに決まっています。そのために、清い心を持たなければなりません。清い心の水がいつも残っている必要があります。それは、世の物事に対する心の余裕から来ます。今持っていることについて自足する心です。そうすると、この心が蓋になって世の下水口を防いでくれるでしょう。聖書にもはっきり語られています。「金銭に執着しない生活をし、今持っているもので満足しなさい。」　（ヘブライの信徒への手紙13章5節）
金銭を愛すると、世の下水口に穴が開いてしまいますが、自足する心はその穴を防ぎます。
自足とは、自ら満足するということです。簡単に言うと、満足の水をわざと残しておくことです。わざと満足を心に残しておく人が、偉大な人です。満足が与えられて満足することは、何の能力もありません。逆U字システムを心に作り、自分の心に満足が残るようにする人が清い人です。これがつまり、自然的な満足ではなく、意志的な満足です。意志的な満足は、いつもその人を清い人として守ります。
人の貪欲の穴は限りがありません。絶対に、満たして満足を得ることができません。不思議なことは、満たせば満たすほど広くなります。よって人は結局その貪欲の穴に自ら陥ってしまいます。貪欲の穴は、ふさげばふさぐほど小さくなります。それをふさぐ唯一な方法は、自足する心です。今に感謝し自足してみてください。不平も、恨みも、ねたみもなくなるでしょう。あなたの心は、すぐ平和と喜びと愛の香りを出すようになるでしょう。あなたの心の化粧室の排水口をきれいな水でふさぐことが、清さの秘訣です。