ユ・ジョンオク牧師夫人の息子に関する話です。息子が軍隊に入りました。ところで、一ヶ月先に入っていた上司が、息子を非常にいじめました。毎朝練兵場を走らせた後、自分に報告してからご飯を食べさせました。しかし、その息子は喘息のため朝走ることがとても苦しくて、やっと走り終わると食事の時間が終わってしまい、ご飯を食べられませんでした。この話を聞いたお母さんは、息子の苦しみを一緒に分かち合うために、毎朝息子が練兵場を走り回る時間に合わせ、近くの学校の校庭を走り回りました。そして、一ヶ月が経ちました。息子から手紙が来ました。
「お母さん、僕は今日になってやっと、神様の祝福が試練という仮面をかぶって来ることが分かりました。今まで練兵場を走りながら、時には怒ったりプライドが傷つけられたり、おしまいにしようとも思ったりしました。ところで今日、完全軍装で走りながら僕は大声をあげてわいわい泣いてしまいました。前の走りの時は、喘息のせいで息苦しくて最後まで走れずに倒れてしまったのですが、今日は何気なく最後まで全部走り終わることができたのです。神様が、上司を通して僕の持病である喘息をきれいに治してくださったのです。その上司がとてもありがたくて感謝しながら敬礼をすると、怪訝な顔で明日からは走らなくていいと言われました。お母さん、明日からは自ら走ります。お母さんに、この喜びを「ハレルヤ！」と叫びながら送ります。」
　仮面は、文字通り仮の顔です。本当の顔は別にあります。なので、その人がかぶっている仮面を通してその人を評価する人はいません。その人が獅子の仮面をかぶっていたということで、その人を獅子だと思う人はいません。ところで、人生の仮面は違います。多くの人々は、目に見える仮面を本物だと錯覚します。それでそのために怖がったり、落胆したり、その上に人生を諦めようともします。本当の顔を知っている人が見ると、とても愚かなことでしょう。人生の仮面の中で代表的なことが、試練と苦難です。試練が来ると、その瞬間は本当に死にそうです。自分だけが不幸に見えます。しかし、その試練の過程をよく耐え忍ぶと、この仮面は自然にはがれます。そして、その中に隠れている実態が見えます。
　関心が奇跡を起こします。上の息子は、毎朝練兵場を走ることがただ上司のいじめだと見ていた時は、我慢しきれない大変な状況にいたでしょう。それで、その上司を殺したいという心もあったでしょう。しかし、後で彼は真心で感激し感謝しました。試練の仮面を脱いで、その中に入っている祝福の実態を見たからです。1ヶ月間の強制的な走りを通して、神様が彼の持病である喘息を完全に治してくださったからです。練兵場を走ることはいじめではなく、神様の治療の過程だったのです。ただ走りなさいというといろんな言い訳でしないから、するしかないように上司を治療師として使わされました。後になってから息子は神様の玄妙なこの摂理を悟り、それきり上司からやめるようにと言われたものの、自分が自ら喜んで試練の道を毎朝走ることに決心したのです。試練の道ではなく、神様の健康の道であることを自分の目から見て体験したからです。
もし、この息子が最初から神様の治療の御業であることを知っていたら、これのために嫌われ、悪口を言われながらも自分を徹底的に監視していたその上司に心から感謝し、練兵場を走っていたでしょう。苦難に対する考えを変えないと、苦難から逃れることができません。苦難を本当だと見ている人には、苦難が本当に苦難として来ます。しかし、苦難を仮面だとして見ている人には、苦難が祝福として来ます。苦難があなたを苦しめるのではなく、苦難を苦難として見ているあなたの目が、あなたを苦しめます。人生は、他人が変えてくれるものではありません。自分の目だけ変えれば、苦難の中でも素晴らしい感謝の世界は開かれます。天国はここにあることでも、あそこにあることでもありません。自分の心の目が天国を見上げる時に、天国はあなたに入ってきます。