犬

人生とは何でしょうか。いつも関心を持って、それについて考えて集中するそれが、その人の人生です。普段常に考えていることが自分の人生を作るため、私たちは考えについていつも目覚めていなければなりません。何か立派な人生を夢見る前に、先に今の考えを点検し、正しい考えをつかまえなければなりません。その考えが、人生の実を描いていくからです。
『牧師先生！伝道ってとても簡単ですね。』という本に次の話が出ます。
ある日、牧師が教会の新しい聖徒の家庭で開かれた集いに礼拝を導くために行きました。どころが、隣の部屋で子犬がうるさく吠えるのが聞こえました。この牧師は犬を飼う家には訪問しなかったので、その聖徒は子犬を隣の部屋に閉じ込めておいたのです。
牧師がその聖徒に聞きました。
「ファンさん、もし1泊2日でどこか行こうとしたら何が一番思い出しますか?」
聖徒は気兼ねなくすぐ返事しました。
「そりゃもちろん、犬のご飯ですね。」
牧師はまた、質問をしました。
「では、どこかへ行って遅く帰ったら何が一番思い出しますか?」
聖徒はまた答えました。
「それももちろん犬のことです。」
その時、牧師は聖徒にこう話しました。
「それなら、ファンさんの人生は犬のことでいっぱいになっているのではないでしょうか。神様を信じて洗礼を受けたなら、神様中心で生きなければなりませんが、ファンさんは神様を犬ほどでも思ったことがありますか。犬に関心を持ったように、神様に関心を持ったことがありますか?」
聖徒は首を落とし、そうではなかったと言いました。牧師は続けて話をしました。
「イエス様がファンさんのために十字架で亡くなられたということを信じるならば、どうしてどこに行っても犬のご飯のことだけを考えながら過ごせるんでしょうか。本当にファンさんの心に神様がいらっしゃいますか。イエス様がいらっしゃいますか。」
人は心にあるものだけを考えます。心になければ、たとえそれが目の前にあっても考えることができません。心の中にあるものだけが考えとして表われます。心が世間のことでいっぱいになっていると、世の中のことだけ考えます。心の中にある人がいたら、その人が好きな人であれ憎い人であれ、ずっとその人のことばかり考えます。心に犬がいたら、どこに行っても犬のことばかり考えます。心に神様がおられる人は、いつも神様を考えるようになって、心に天国がある人は、いつも天国を考えるようになります。信仰の人は、心が変えられた人です。心にイエス様がいらっしゃる人です。それでこの地のことを考えず、いつも天国を考えるのです。
心が子犬のことでいっぱいになっている人は、その人生が犬に集中するようになります。しかし、心が神様で満たされている人は、その人生がいつも神様を見上げるようになります。私たちは常に自分の心を点検しなければなりません。その心の考えが、その人の人生だからです。今私たちの心の考えは、何によって満ちていますか。一日中、イエス様のことをどのぐらい考えていますか。もしイエス様に対する関心が、育てている犬ほどでもなかったりはしませんか。イエス様を犬扱いしてはいませんか。いや、犬くらいでも思ったことがありますか。飼っている犬くらい思っていても、かなりのレベルです。外出してもいつも犬を心配して、家に帰ると犬をお風呂に入れてあげたり、服も買ってあげたり、爪も切ってあげたり、毎日三食もちゃんとあげて、さらに歯磨きまでしてあげるからです。そのような意味で、イエス様を犬扱いするというのは相当なレベルではないでしょうか。神様は私たちにとって決して犬より低い方ではありません。犬よりもっと神様を考えることが正常であり、犬よりもっと神様に関心を持つのが正常ではないでしょうか。神様に対して特別なことをしようという意味ではありません。正常に戻ろうということです。神様は今も、このような正常なクリスチャンを探しておられます。考えが神様に固定された人を。