お金と人生

オバマ大統領は、学生時代（ハーバード大学大学院）に学費の貸与を受けて勉強をしたという。4万2753ドルの貸与を受けたが、卒業後１３年にもなった４３歳になったときに、ついに全て返済したという。もちろん彼の夫人ミッシェル女史も似たような状況だった。
彼が結婚した時（1992年）に夫婦の学費貸与金額は8万ドルを越えていた。
オバマの著書「私の父からの夢」がベストセラーになり、ようやく2004年に貸与金を全額返済できたという。彼らは一時フードスタンプ(食料配給クーポン)に頼ったこともあるという。
人々はひそかに金を重要視する。「お金がなくてできない。」
お金のために気が沈みもし、お金のために人生をあきらめたりもする。
「お金さえあれば、できるのに…」お金に恨みがある人も時々いる。
しかしお金の問題でできないのだろうか？
お金に人格があるなら、お金のようにやりきれない存在もないはずだ。何でも問題が生じれば、お金のせいにされるので、お金はどんなに大変なことか？
もしお金が人生の運命を握っているなら、オバマ大統領やミッシェル女史のような方は現れることがなかっただろう。13年も貸与学費という借金を抱えていた人がどうして米国の大統領になることができたのだろうか？
人々はよく自身の環境のせいにする。「環境がこうだから、できない」と。
これこそまさに自身を自ら破滅の道に追い込む自殺行為だ。
能力は環境にあるのではない。環境が大統領を作ったのではない。
何に出会おうが、環境のせいにして自らあきらめることのないようにしなければならない。
観点を変えなければならない。観点を変えれば、奇跡が見える。
観点を変えれば、道が見える。
観点を変えれば、幸福が見える。
観点は与えられるものではなく、選択なのだ。
お金がない場合、二つの観点があり得る。「金が無くてできない」と「他の人よりお金が無いので、遊びの誘惑なしにむしろ早く進むことができる」
オバマ大統領にはお金がないことがむしろ人生のエンジンになり、守り神となったのだ。彼は少なくともお金を使うのに必要な時間とエネルギーを浪費しなくともよかったのだ
お金がたくさんあることが役立つこともあるが、お金がないことがもっと役立つこともあるのだ。
お金がなければむしろ必要性から噴出する強いエネルギーと推進力（ハングリー精神）が湧き出てくるからだ。
良い観点の選択は配偶者の選択よりも重要だ。
お金がないからできないのではなく、（やろうという）心がないからできないのだ。
心のある人には、お金が決して障害物にはならない。
お金に逼迫していても、その状態は決して心の壁を越えることができないのだ。