次男の罪

聖書には、イエス様が聞かせてくれた恵みに満たされたお話がたくさんあります。

ある日、イエス様が群衆に対しこのような話をされました。ある人に二人の息子がいたが、次男が財産の中から自分の分け前をくれるよう父にせがみました。父は仕方なく財産を分けて次男に譲り渡しました。

次男は譲ってもらった財産すべてを処分してお金に変えて遠い国へ行ってしまいました。彼はもはや富も多く、父の干渉もないので幸せにうまく生きていけると思いました。彼は今まで楽しめなかったこと全部やってみました。お酒も思い存分飲んでみたり、女遊びも楽しんで、良い車も購入したり、ギャンブルにもハマってみたり。。。彼は勝手気ままにふるまって、父から譲り受けた富を費やしました。

そうしたある日、気がついたら通帳の残高がついになくなってしまい彼は自動車も売らなければならないし、着ていた服も売らないといけない窮地に迫られました。そうしないと生活の維持が困難な状況まで陥ったのです。お金がないのであれだけたくさんいた友たちもみんな離れてしまい、お金を借りようとしても貸してくれる人もいませんでした。仕方なくアルバイトを始めたわけですが良いアルバイトはなく、豚を育てることしかありませんでした。ところが、飢饉に見舞われ豚に食わせる餌もなく飢え死ぬほどまで至りました。

本当に悲惨な境遇に落ちました。金持ちの坊っちゃんから豚にも劣る気の毒な身の上に転落してしまいました。最初は彼もお金持ちでした。しかし、彼は自分の父親の家にいるしもべ達がうらやましいくらい貧しくなりました。生きられるか死ぬかの狭間まできました。その時になってからやっと、彼は気づきました。「私は神様と父上にぬぐえない罪を犯したんだ！」彼は自分が犯した罪は到底許されない罪だと思いました。ですから父の家に帰り、息子ではなく、しもべとして生きるとまで決意しました。もちろん、父はその罪よりもはるかに大きな愛で許したわけです。

それでは、この次男の罪は何だったんでしょうか？

どれくらい罪が重かったらとても父には許されない罪だとまで言ったんでしょうか？父なら自分息子の犯した罪はある程度許せるはずなのに、、、。彼は殺人の罪を犯したんでしょうか？それとも強盗、強姦の罪を犯したんでしょうか？それとも詐欺もしくは窃盗を犯したんでしょうか？

違います。彼の罪は『言動がふまじめで、放蕩（ほうとう）して受けた財産をすべて浪費した罪』でした。人々は無駄にすることを罪だとは思っていません。私のものを私の勝手に使うのに何が間違っているのか、とむしろ問い返します。放蕩息子（どら息子）は父から受けたものを無駄にしてしまいました。ですから父に罪を犯したのです。私たちは、すべてのことを神からもらいました。すべては、神様のものです。そのため、それを無駄にすることはものすごい罪になります。主人が預けておいたものを自分勝手に食いつぶしてしまったからです。

次男の許されない罪は財産の管理が出来なかった罪です。罪中の罪は管理ができてない罪なのです。たくさんあるからと思うままに勝手に使うことは注意が必要です。それが罪だからです。浪費は罪です。時に貯蓄して投資すべきであります。神様はそのような人を探しておられます。祝福するためです。

主人は言った。『忠実な良いしもべだ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』（マタイによる福音書25:21）