「牧師を尊敬しないでください」

ある牧師先生が伝道集会のために中国へ行った。
伝道集会の二日目の早天集会の時、想像もできないことが起きてしまった。
その教会の担任牧師が講師を招いているものの、その早天集会に来られなかったからである。
信者らがざわめいている中で、仕方がなく、その講師の牧師が一人で壇に立ち、礼拝を導くしかなかった。
講師は信者らにいきなりこう言った。
「皆様！絶対皆様の牧師先生を尊敬しないでください。」
信者らは皆驚いた。
担任牧師がたとえ早天集会に来られなかったとしても、適当な理由を述べながら、
「それにしても、担任牧師を尊敬しなければなりません。」
というのが常識であったからだ。
しかし、講師牧師の次の言葉に、信者らは大きい恵みを受けたという。
「皆様！牧師を尊敬しようとする人は必ず失望するようになり、
傷つけられます。なぜならば、牧師も皆様と同じく、弱い肉体を持っているからです。なので、皆様の牧師を尊敬しちゃいけないと言ったのです。
その代わりに、皆様の牧師を愛してください。愛はすべての過ちをかばってくれるため、今日のようなことが起きても失望したり、落胆しないで、牧師をより愛するようになるからです。」

本当にそうである。
人々から尊敬される人物になることも大切であるが、
正直言って尊敬される人物になることはいつも負担になる。
そのように生きられない時に、多くの人々を失望させたり、つまずかせたりするためである。
それゆえ、その人生はいつも不安な人生になってしまう。
しかし、愛される人物になることを願う人は
人生がいつも平和で幸せである。
そのような人は、自分の間違いや過ちに対する不安や心配がない。
すでに自分の弱さ、完全ではないことを告白したからである。
むしろ、自分の弱さで周囲から多くの人々が来るようになる。

人々は自分の強さ、完璧さ、義を現せることによって
周囲から尊敬を受けたがっている。
しかし、これより苦しい人生もないだろう。
本当に重い荷を最後まで自分一人で背負っていくかわいそうな人生である。
むしろ自分の弱さ、足りなさ、欠点を先に告白し、
人々から愛を受けたがる人生がより軽くて幸せな人生になると思う。
尊敬されることを望む人より、愛されることを望む人が多くなりますように願うだけである。