ルーズベルト神話

4回もアメリカ大統領に選ばれたルーズベルトには人に知られていない試練があった。
政治家として真面目に働いていた30代後半、急に小児麻痺になり、余儀なく車椅子生活をさせられた。
ある雨上がり晴れた日、あまりの辛さに落ち込んでいたルーズベルトに妻であるエレノアは散策を勧めた。
彼女は車椅子を押しながら彼に話しかけた。
‘雨の後はこんなに晴れた日になるでしょう。あなたの人生も同じです。
今の試練はもっと謙虚になって任された仕事を真面目にこなすようにと与えられた神様の御心でしょう。
あなた、もう少し力を出しましょうね。’
この言葉を聞いてルーズベルトは元気なく言った。
‘私は歩けない身体障害者であなたに苦労をかけるばかりなのに...
それでも私のことを愛せると言うのですか’
彼女は断固たる口調で彼に答えた。
‘そんなに寂しいことは言わないで下さい。では私が今まであなたの脚だけを愛したと言うのですか’
妻の言葉が劣等感と敗北意識にとらわれていたルーズベルトにさらなる勇気と力を与え、彼はもっと活発に働き、アメリカ大統領に4回も選ばれる神話を造り出した。

ルーズベルトの神話は偶然の産物ではない。
彼は他人に比べ、厳しい障害を持っていたが、彼は肉体の障害を遥かに越えられる物を持っていた。
それはまさに彼の妻であった。
肉体の力で人を助けることより真心を込めて人を励ますことがさらに大きい力になる。
女性であるエレノアに何の力があるだろうか。
しかし、エレノアは一言の愛の言葉をもって100名の力持ち以上の大きい力をルーズベルトに与えた。
最も偉大な力は ‘手’ではなく ‘口’にあるのだ。
手から出る力はかろうじてその力だけが人の‘体’に伝わるが
口から出る言葉は人の ‘心’を動かすため、心の中に多くある力の泉を湧き出させる。
‘言葉は人格である’という言葉がある。
人格が整えている人は言葉に力がある。
良い人格の持ち主には身体障害者を回復させるくらいの力がある。
人格障害者の言葉は人を障害者にさせてしまいがちだが、
人格成熟者の言葉は障害者を回復させる力がある。
‘ 主よ! 私に成熟した人格をお与え下さい!’