鵜の人生

鵜という鳥は魚をどんなにとらえても自分では食べることができない。
首に紐が巻かれているために飲み込むことができず、釣り人に奪われるからだ。
日本のある経済評論家が韓国の経済を「鵜の経済」と表現したことがある。
過去１０年間韓国の対日経常収支の赤字が約２００兆ウォンに達した。
この赤字幅は年を重ねる毎に増加するという。
韓国が輸出を多くすればするほど貿易赤字幅は大きくなるという。
その理由は何だろうか？
もちろん韓国は完成品を毎年たくさん輸出している。
しかしその完成品の中にある主要部品と素材が日本から輸入しなければいけないものなのだ。もちろん特許も日本に頼るものが多い。だから、韓国が輸出をすればするほど、それだけ日本から輸入を多くせざるを得ない経済構造に置かれている。
１０数年前の事を覚えている。韓国の大企業に就職し、会社を辞めた博士の方の話しだった。大きな企業だというのに、目の前にすぐ成果が見えない研究は会社に利益をもたらさないので、厳しい牽制を受けるという。これが問題だ。目に見えない根を育てなければならない。根なくして実が結ばれることはあり得ない。しっかりとして根が降りていれば、毎年貴い実を結ぶというのは自然の摂理だ。
個人であれ、会社であれ、国家であれ、道理は同じだ。
実だけ実らせようとするのではなく、根を育てなければならない。
日本の経済は「根の経済」だ。だから、内実がしっかりしている。韓国で輸出をしても、そこでも多くの実が結ばれている。根をきちんと育てておいたからだ。根の原理を実践している日本を学ばなければならない。
実はその場で目に見えるから達成感があるかもしれないが、一回性に過ぎない。
根は今は目に見えず、もどかしいかもしれないが、無限の能力を有している。
韓国経済は表面上は本当に華やかだ。輸出の世界１０位圏にあるので、本当に素晴らしく見える。しかし、内実を見れば、中身が空っぽという状態なのだ。
根には投資せず、目の前の実にだけ関心が集中しているからだ。
韓国経済が世界経済を導いていくためには「実の経済」から一日も早く「根の経済」に目を向けなければならない。そうすれば、３０倍、６０倍、１００倍の実が結ばれ、世の中を食べさせて生かす経済力を持つようになると信じる。
自然の法則は人類に必ず保障を与えてくれる。その自然の法則はこうだ。
「実が根を作るのではなく、根が多くの実を作り出す。」
人生も同じだ。根がしっかりした人生、中身が健康な人生、基本がしっかりした人生が結局豊かな実を結ぶようになる。