実際の状況、思いの状況

米国のシカゴ大学で面白い実験を行った。
人々を３つのグループに分け、３０日間各々違う方法でバスケットボールの練習をさせた後でその結果を比較してみる実験であった。
１番目のグループは３０日間全く練習をさせず、２番目のグループは３０日間毎日バスケットボールコートでフリースローの練習をさせた。そして３番目のグループは実際の練習をさせず、心の中でのみイメージ練習を続けさせた。
３０日後に成績を点検した結果、驚くべき結果となった。
もちろん１番目のグループは、練習をしなかったので、フリースローの成績が全く良くならなかった。
２番目のグループは１ヶ月前よりフリースローの成功率が２４％高くなった。
しかし、驚くべき事実は、実際には練習を全くしなかったが、心の中でイメージ練習だけをした３番目のチームの成功率が２３％も高くなったことである。
毎日運動場で汗を流して練習した人たちも、ボールを一度も投げずに心の中でだけイメージで練習した人たちも、成功率はほとんど同じだった。
これは、脳が実際の状況と心の中のイメージを区分せず全く同じものとして受け入れるからだという。
この実験は、わたしたちに重要なメッセージを与えてくれている。
心の中の思い、イメージがわたしたちの人生にいかに大きな影響を与えているかを悟らせてくれる。わたしたちは心の力、思いの力をとても軽く考える傾向がある。見えない心の思いに過ぎないのに、それに何の力があるのかと言って、あまりにも簡単に考えてしまう。
そして自分の思いのままに良くない考えを夜ふかしながらしたりするのだ。
しかし脳には実際の状況も思いの状況も全く同じという事実を忘れないようにしなければならない。
心で思うことは実際に行うことと全く同じ結果をわたしたちの人生にもたらす。
否定的な考えで自身を苦しめることは否定的な環境に苦しむのと全く同じであり、不満の考えで自身を苦しめることは不満の環境の中で苦しいのと全く同じである。
反面、肯定的な考えで自信を奮い立たせることは肯定的な環境にいるのと同じ効果があり、
感謝の思いで喜ぶことは感謝すべき環境で喜ぶのと同じ効果がある。
心の思い、イメージは実際の状況と全く同じ影響力をその人に与える。
これはどれほど感謝すべきことであろうか？
実際の状況を作ろうとすれば多くの時間と努力、物質が必要になるが、思いの状況、イメージの状況は、これらすべてのものが全く必要ない。ただ心で描きさえすればよいのだ。すべてがただだ。一瞬のうちに天国を描くことができる。決心さえすれば、何でも描くことができる。
何があっても自身に対する悪いイメージを描かないようにしなければならない。特に実際の状況が良くなければ良くないほど心の絵は良いものを描いていかなければならない。そうしてこそ状況が良くなる。
成功する人は、実際の状況に思いの状況が引きずられることなく、思いの状況で実際の状況を変えていく人だ。
人生の成功率を高めたいか？
脳を成功の脳に変えなければならない。そうするためには、あなたの心の絵が乱れた世の中に奪われずに、超肯定の絵を描き続ければよい。
「何を守るよりも、自分の心を守れ。そこに命の源がある。」（箴言4:23）