人生の鏡

「十尋の水の底は分かっても、尋の人間の心は分からない（＝人の心は知りがたいものだ）」という話があります。そのくらい、人の心は分かりにくいということです。しかしその心が分かる方法があります。その人が言っていることを聞けば、その人の心が察知できるのです。人間は心に溜めていることを口から出すとイエス・キリストもいいました。口から出る言葉は、心の姿をそのまま現しています。心が平和であるならば言葉も穏やかになり、心が愛で満たされているならば言葉も愛情に満ち、心が怒りでいっぱいになれば言葉は怒りをそのまま表します。言葉を注意することは、口でできることではありません。心のコントロールができないのに、口だけコントロールできるわけがありません。ほぼ不可能です。心と口は繋がれています。口のコントロールは、すなわち心のコントロールです。心がこの世のことでいっぱいな人は、この世のことを話します。心がイエスキリストで充満な人は、イエスキリストの事を話します。口はただ心の通路として働いているだけです。言葉は心によって決められます。
人々は外出をする時に必ず洋服と外見をチェックし、おしゃれをします。他人に見られるので、人々を意識して一生懸命おしゃれをします。身近な存在である家族の前ではおしゃれをしませんが、知らない街で会う人々のためには本当に一生懸命おしゃれをします。他人に良く見せるためです。
外見を綺麗にするくらい懸命に心を綺麗にする人はめったにいません。
外見に気をつかうことの半分だけでも心に気をつかえば、この世の中は天国に変わるでしょう。心の憎しみ、怒り、妬みがすべて清められるため、お互いに使う言葉が天国で使っている言葉のようになるでしょう。
神様は外見を見ず、心を見ると言いました。一方、人々は外見に対してはとても気をつかいますが、心にはほとんど気を使いません。端から心は全く意識しないまま放置した状態で暮らす場合も多くあります。自分の心が綺麗かどうか意識をしてから外出する人はほとんどいません。人の目に見えないからです。むしろ見えることだけ一生懸命準備したせいで、心がもっと汚くなって、傷ついて、複雑な状態で出かける人もいます。肉的なことにあまりにも気をつかい、心をさらに乱れさせて、出かけるのです。例えば、身だしなみにあまりにも時間をかけてしまい、時間が迫ってきて、夫婦喧嘩をするとか、約束時間に遅刻して、自らが精神的に辛い状態に陥るとか。外見を飾るため、心はむしろごみ捨て場のようになってしまうのです。
このような行為は神様を徹底的に無視する行為です。神様が見る事に全く神経を使わないので、これは神様を見下すことと同様です。本当に神様を意識するなら外見より心にもっと気を使うことは当然の事です。賢い人は人の評価より神様の評価がより重要だと考えます。
'今私の姿を見て神様はなんとおっしゃるのか?' この質問が常に人生の鏡にならなければならないでしょう。
人に会う時には外見を飾るのではなく、心にあった怒り、憎しみ、貪欲、不信、心配などのごみを片付けて神様の血潮で整え、キリストで充満して行けばどうでしょう? そうすればその人が行く所に天国が臨むのではないでしょうか?
傲慢、貪欲、妬み、怒りの霊の下着を着て出かければ、いくら良い肉的な上着を着て出かけても、その場所は戦地や地獄を彷彿させないでしょう?
'平和を実現する人々は、幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる' (マタイによる福音書5:9)