活気の吹き込み
アフリカの部族に関した話である。
この部族の社会では結婚するために男性が女性に持参金を払わないといけない。
綺麗な女性ほど持参金も多くなるという。最近の言葉で「美人」「ナイスバディ」くらいなら、牛を3頭くらいさなければ結婚が出来なかったという。
この村に結婚できないオールドミスが一人いた。この女性は、持参金どころかただで連れていく人もおらず、人生をひどく自虐的になりながら生きていた。
ところが驚くことがおきた。この村の酋長の息子がそのオールドミスに一目ぼれして求婚したのだ。酋長の息子は持参金として牛を8頭も妻の実家に渡した。村の全員がびっくりした。
初夜にオールドミスは酋長の息子に自分になぜこんな多くの持参金を送ったのか聞いた。
新郎は自然に答えた。
「あなたは私にとって8頭の牛よりはるかに価値がある人です。牛がもっと多くあったらもっと差し上げたはずです。」
新婦の目には感動の涙が止まらなかった。
自分はまったく人気がなく何の値打ちもない卑しい者だと思っていたのに、夫が私をこんなに貴く思ってくれるとは…
その後彼女のすべての態度が変わった。
言葉つき、表情、歩き方のすべてが一番幸せである美しい夫人になったという。
人の価値は、自分が持って生まれたものより親しい人たちから与えられるものが、はるかに力があるようだ。
言葉ひとつでも、小さな行動ひとつでも、家族や聖徒の間に‘あなたは私にとっていかに大事な人か分かりません。’という思いを互いに与え合うなら、我々の社会は本当に生きがいを感じる社会、胸を張って生きる社会になるだろう。
一人の人生が、私が彼に与える価値によって全部が変われるという事実を、心に深く刻み付けておく必要がある。
‘神様！私が会う人たちが私に会うことで再び生きがいを感じるようにしてください！’
私たちがほかの人たちに吹き込んであげられる‘活気’はまさに‘価値の付与’であることを、心に深く刻んで生きる一年になるようお祈りする。