努力なしで得られるものはない。
りんごの木がりんご1個を結ぶためにも1年がかかる。
そうすると、人の内にある才能が発揮されるためには、どの程度の努力が必要だろうか。いかに良い才能を持って生まれたとしても、それを磨かないとその才能は実を結べない。怠慢は、才能にさびをつけるカビである。
神経科学者ダニエル・ レヴィティン氏は、次のように語った。
「モーツァルトは6歳に作曲を始めたが、初期の作品は平凡だった。彼の本当の傑作品は、21歳から作られた。どの分野でも世界レベルの専門家になるためには、10000時間の練習が必要だ。」
心理学者K. アンデルセン・エリクソンは、1990年代初のエリートヴァイオリニストと、平凡な演奏者の差異を比較した。エリートたちは、20歳になったごろは皆10000時間を練習したという統計が出て、平凡な演奏者たちは4000時間程度だったと言う。
「アウトライヤ（Outliers：一般の範囲を超えた成功者）」の著者であるマルコム・グラッドウェルは、練習の重要性のこのように強調した。
「一つの分野で10000時間努力すれば、あなたもアウトライヤになれる。」
聖書の日本語訳にこのような部分がある。
「勤勉な人は人類の貴い財産だ。」（箴言12:27）
人が勤勉だと、自分だけではなく、人類に大きく貢献できる。
その反面、怠惰な者は自分も貧乏になるが、他人にも迷惑をかける。
よって、勤勉な人が全人類の貴い財産だと書かれたのだろう。
人の価値は、才能にあるのではなく、努力にある。
才能はすでに天から与えられた。ここには差がない。皆大切である。
しかし、努力は千差万別である。自分次第なのだから。ここで貴い人と、卑しい人が分かれる。
努力する人は貴い人になり、怠ける人は卑しい人になる。
希望のない人生はない。ただ努力がないだけだ。努力のない人には、希望も出てしまう。神様は、すべてに人生に希望の宝石を与えてくださった。それを、努力のつるはしで掘らなければならない。
あなたにも必ず希望がある。
信じて10000時間を一生懸命掘ってみよう。そうすると、聖書の約束通り、あなたも知らないうちにあなた自身が人類の貴い宝石になっているのであろう。スポーツ界のスター、芸術界のスター、経済界のスター、学界のスターをうらやむだけでなく、彼らが歩んできた10000時間をその通り歩んでみよう。そうすると、あなたの人生にもきっと星が浮かび上がるのであろう。
10000時間が多く見えるけれど、そうでもない。
1日10時間投資すれば、3年だと超過するし、1日3時間投資すれば、10年だと十分である。1日1時間ずつ投資すれば、30年で足りる。
これから10000時間をアウトライヤのように使ってみよう。あなたがうらやんで尊敬したその人が、まさにあなた自身になっているであろう。