成功した裁判長

世の中には難しいことが多いが、人を裁くことほど難しいこともないだろう。
一方が有罪を主張すれば、必ず他方は無罪を主張するからだ。
だから、裁判長になる試験がいまだ一番難しい試験のうちの一つなのだろう。
ここで成功した裁判長がいるので紹介しようと思う。
ある刑事部の部長判事がいるが、彼は裁判後多くの被告人たちから感謝の挨拶を受けるのだという。
「被告人が無罪を主張し、最後まで争ったが、裁判官は被告人が耐え難い実刑を宣告するに至り残念です。懲役１年6ヶ月を宣告します。」
この判決に被告人は裁判官に向からを下げて感謝した後、裁判長の前に進み出て２枚に渡る感謝の手紙を渡した。「裁判で見せて下さったやさしい微笑みと声を心の奥深くに大切にしまっておきます。判決のときに頼まれたように刑務所で同じ刑務所の受刑者を教化しながら、家族と再び会う日を待ちます。」
このことを取材した記者は「裁判が勝敗と関係なく、人の恨みを解き人生まで変えることができる」という事実を悟ったと言った。
本当の裁判は、事件の判決ではなく、人の理解だ。
この感謝の手紙の受信者である裁判長は篤実なキリスト教信者として、人に仕えることを自信の使命とし、いつも被告人の目の高さで心の扉を開き傾聴するという。
人に感動と感謝を与えることは、裁判の勝利ではなく、裁判長の真心のこもった関心と理解、配慮であることがわかる。
事件より重要なのは人だ。失敗した裁判長は、事件中心に人を見るが、成功した裁判長は、人を中心に事件を見る。人は自分を中心に考えてもらうとき、有り難さを感じるようになる。だから、実刑の宣告を受けた被告人たちも裁判長に感謝するようになるのだ。
成功した裁判長は、事件を鋭く判断する人ではない。
このような人はどんなに賢く裁判をしても、決して被告人から感謝の言葉を聞くことはできない。不平の言葉を聞かないことが幸運なのだ。
成功した裁判長は人を深く理解してあげながら、その人の立場で愛で判決を下す人だ。そうすれば、もし敗訴しても、裁判長に感謝する、
事件より、出来事より重要なのは人だ、人が尊重される世の中が美しい世の中だ。今日も私たちすべては大切な一日を贈られた。この大切な一日をどのように過ごすのか？他の人から感謝のことばを受ける一日を過ごすことができればよいと思う。出来事から来る良い実績より、人から来る本当の感謝により価値がある。
成功した人生、生きがいのある人生を送りたいか？
あなたに心から感謝する人を周囲にたくさん作ってみなさい。