「1ヶ月のレッスン費」

誰よりキリスト教を嫌う人がいた。
彼女の記憶にあるクリスチャンは皆、嫌悪感を与える人々であった。
ピアノのレッスンに行くと、家はいつも汚いし、
レッスン費を払う時は非常にけちん坊で、自分しかしらない利己主義者、うそつき、偽善者などであった。
しかし、ソヒョンという学生のお母さんがこのような彼女の偏見を変えてしまった。
ソヒョンのお母さんは誠実なクリスチャンであり、家はいつもきれいに片付けられ、家政婦、運転手まで家族のようにいつも優しく面倒を見てくれた。
ソニョンにピアノを教えていた彼女は、初めの子を出産することになり、
ピアノレッスンを1ヶ月間休むことになった。
ある日、ソニョンのお母さんが病院にいる彼女を見舞いに来た。
ソニョンのお母さんは彼女が教えていない1ヶ月分のレッスン費とプレゼントを渡しながら、出産を心より祝賀し帰った。
当時、彼女は20名ほどの学生を教えていたが、
このような愛をくれたのは、ソヒョンのお母さんだけだった。
本当に感動を受けたピアノ先生は、このことがあった後、教会に通いはじめ、イエス様を信じるようになった。
今は信仰もとても深く、教会の執事として奉仕している。
彼女の名は李クンスク執事という。

もらおうとする愛は臭いが、
あげようとする愛には香りがする。
クリスチャンは「キリストの香り」と言う。
ソニョンのお母さんの心の香りがこのキリストの香りではないかと思う。
1ヶ月のレッスン費自体はそんなに大きな金額ではない。
しかし、その中に入っている「愛の香り」は、
世の中のすべての人々の心がほれるに十分であった。
愛の香りは人の心を変える力がある。
愛の香りで、イエス様の本当の姿を弟子である我々が見せなければならない。
主の弟子の姿は、
世の臭い服を脱ぎ、
主の愛の香水できれいに装った新婦の姿である。
物は金さえあれば買えるが、
人の心は「愛」がなければ買えない。
従って、財物の金持ちより愛の金持ちのほうが力がある。
イエス様の弟子は、
いつも豊富な愛の倉庫で愛を無差別的に
世の中にあげる人である。
イエス様は言われた。
「そのように、あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。人々が、あなたがたの立派な行いを見て、あなたがたの天の父をあがめるようになるためである。」
（マタイ5:16）
ソヒョンのお母さんは日常生活の中で主の御言葉を実践している方である。
クリスチャンの真実な姿は、自己評価から出るのではなく、
世の不信者の口から出る。
彼らが私を見て「あなたは本当にイエス様に出会った人です。」
これを言われる時こそ、我々はクリスチャンになるのだ。