「ハンドル」

日本兵庫県で列車が脱線する大型事故が起きた。
今朝のニュースによると、すでに死亡者が90名を超えたという。
本当に心が痛むことである。
事故の原因を調べているが、その列車の運転手は23歳で、運転してから1年も経っていない人だそうだ。それに、カーブを規定速度より40キロ以上も早く走ったということも確認されたという。
気の毒なのは、運転手も重体に陥っているということである。

一瞬の過ちがこのように大変な事故を起こすということを常に我々は心に刻み付けるべきであろう。
特に、「ハンドル」を握っている人はいっそう気をつけなければいけない。
数多の人々の安全が、その一人の手にかかっているからである。
世の中で、多数の人々の「ハンドル」を握っている人はどのような人であろうか。
それは、グループを連れて行く「リーダー」であろう。
リーダーは、全体を見る目を持てなければならない。
リーダーは、全体を察する耳を持てなければならない。
そしてリーダーは、正しい判断をしなければいけない。
自分一人だけを考える人は、絶対リーダーになってはいけない。
リーダーは、いつもグループの全体を考えなければならない。
グループの運命が、リーダー一人の手にかかっているからである。
列車の運転手に必要なのは、車が運転できる技術より、乗客の安全を守る責任意識ではないだろうか。
先日、韓国でバスが10メーターの下に落ちてしまった事故があった。
そのバスの中には数十名の障害児が乗っていたが、驚くことは、怪我した子どもがほとんどなかったということである。
その理由は、一緒に乗っていた先生たちが皆学生をかばっていたからである。
もちろん、先生の中には、骨折、打撲傷などを受けた人もいたが、
学生は全員無事だったそうだ。
指導者には、いつもこのような「グループ保護本能」があるべきである。
そして、正しい導きへの能力も必要であろう。
この二つこそ、指導者が必ず持たなければならない素養ではないだろうか。
イエス様は、「わたしは良い羊飼いである。わたしはわたしの羊のために命を捨てる」とおっしゃった。
真の指導者は、イエス様のように、「良い羊飼い」のような人である。
自分の名誉ではなく、
羊のために自分を捨てることができるリーダーが正常的なリーダーである。
社会のあちこちでは、今も「良い羊飼い」を探している
羊の鳴き声がこだましている。