コリントニ4:16-18

1. 目が大事である。
人生は苦難の連続である。苦難のない人生はない。
人生は苦難という波の上に浮いている船のようである。苦難の時に重要なのは、「苦難がどれほど深刻なのかを深く黙想するのではなくて、苦難を見る自分の目を掴むことである。「苦難にあった自分の姿をどう見るか」が苦難後の自分の姿を決める。
イ・チソン姉妹は事故にあった自分の姿を愛せるようにしてくださった神様に感謝している。もし鏡に映っている自分の新しい姿が、自分にとって怖くて醜く見えたら彼女の人生は違ったはずだ。見る度に自分の顔が愛しく、可愛く見えたので世の中からも可愛がられ、愛される人生を過ごせるようになったわけだ。「他人が自分をどう見ているか」よりもっと大事なのは「自分が自分をどう見ているか」である。消極的な人々は他人に映る人生から離れられないが、積極的な人は自分が見ている姿で他人の視覚を変えていく。視覚の肯定的リーダーは世の中をリードする素質がある資格を持っている人である。
イエスキリストはこの世に来られて人々の視覚を変える事をなさった。
天国に興味がなかった彼らに天国を見せてくださり、愛のなかった彼らに本当の愛を見せてくださり、神様を知らなかった彼らに神様を見せてくださった。
ある日、イエスキリストが生まれ付きの盲人に会った。その時、弟子たちは尋ねた。
「先生、この人が盲人として生まれたのは誰の罪のせいですか。この人の罪ですか。親の罪ですか。」
この時、イエスキリストは弟子たちの視覚を変えてくださる。
「本人が罪を犯したからでも、両親が罪を犯したからでもない。神の業がこの人に現れるためである。」（ヨハネ9:3）
もし自分や親の罪のせいであったら、どれほど挫折と失意と絶望で苦しむだろうか。
イエスキリストは盲人を通して私たちが目を開くことを望まれた。
苦難により罪、絶望、挫折、罪悪感、放棄で閉じていた私たちの目を自由、希望、感謝、能力に大きく開いてくださった。
苦難にあった自分の姿を主の視覚で改めて見えることが本当の回心の姿である。
例え、私が生まれてから致命的な弱点、痛みを持っていても、例え、私が不慮の事故で大きい傷が体に残っていても、逆にそれのおかげで私だけ出来る、神様に栄光を捧げる事が必ずあるという確信を持つことが信仰である。
「神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということをわたしたちは知っています。」（ローマ8:28）
苦難に対する成熟な反応は幸せと老後と健康に最も重要な要素だとハーバード大の研究チームが発表したことがある。
苦難に対する反応は3つ考えられる。
一つは感情的な反応だ。これは何の努力がなくても自然に出る反応である。これは安っぽい反応である。感情に任せて瞬間的に反応するので常に不安である。いつ、どんな事が起こるか予測し難い。自分だけではなくて周囲の人々まで苦しめる。
二つ目は理性的反応である。これは決して自然にできる事ではない。感情を治めないと理性は力を発揮することが出来ない。忍耐と意思的な決断から来る反応である。苦難の衝撃から来るミスを防ぐことができる。
三つ目は永世的な反応だ。ただ神様中心の反応である。問題の観点、世の中の観点の誘惑から離れてただ神様の観点で反応することである。この反応の内容が今日の聖書の本文によく記されている。この観点から見ると、天が崩れても決して落胆しない。天が崩れても心は崩れない権勢のある反応である。
この反応は目の固定地点から違う。まず、目が腐っていく外側人間から、毎日新しくなる内側人間に固定させて、次は一時的な苦難から永遠の栄光に固定させて、その次は見える物から見えない物に固定するのである。(コリントニ4:16-18)
あなたの目は今、何を見ているか。何にあなたの目は固定されているか。
もしかして、傷だらけの外側人間ではないか。もしかして、一時的な苦難ではないか。もしかして、一瞬見えて消える霧のような目に見える現象ではないか。
見る目を変えないといけない。目を変えないと人生は変わらない。
内側人間を見る目、永遠で大きい栄光を見る目、見えない物を見る目に変えないといけない。目が変わると人生も変わり、環境も共に変わる。

2.        苦難はチャンスである。
苦難はただ有益を与えるわけではない。苦難がある人にとっては大きい有益になるけど、ある人には致命的な損害を与えたりもする。苦難はただチャンスに過ぎない。神様は苦難を人生のチャンスとしてくださった。天から降ったチャンスとして信じると決して苦しんだりはしないはずだ。希望と期待感をもって一所懸命にそのチャンスを活かせようとするはずだ。
大勢の信仰の人々は全員大変な苦難のチャンスに会った人々であった。
イエスキリストを見てみよう。十字架という大変な苦難のチャンスに会ったではないか。十字架のないイエスキリストは想像もできない。その十字架の苦難があったので復活の栄光と救いの恵みが生じるようになった。
イ・チソン姉妹を考えてみよう。彼女を今の彼女にしたのは他ではなく苦難である。火傷の苦難を御言葉による霊性的な反応で立派にパスしたから、世界中の希望のメッセンジャーとして彼女が生まれたわけである。
今、あなたはどんな苦難の中にいるか。苦難の大きさほど期待の水準を上げよう。あなたの人生に大きい有益があることを期待せよ。そして祝福のある選択をせよ。崩れた環境を選ばずに新しい家をお作りになる神様を選択せよ。あなたの人生はあなたが選択した通りになる。決して選択を軽んじてはいけない。苦難の時の選択があなたの人生の未来を左右する。

3.        火傷の作品
イ・チソン姉妹と私は同じ火傷の苦痛を経験したが、神様は違うようにお働きになった。
私は外側人間は治されたが、チソン姉妹は内側人間を新しくしてくださった。勿論、内側人間の祝福がもっと貴い。それでチソン姉妹は神様から韓国、アメリカ、日本、台湾、中国等、世界的に大きく用いられている。これがどれほど貴かったか、彼女は過去の姿（火傷に負う前）に戻りたくないとまで言った。彼女は本当に良い物を見つけ出したからだ。
彼女の告白のように、チソン姉妹にとって本当に大切で、永遠なものは目に見える顔ではなくて見えない心の中の宝物であった。
苦難中の私に、私が今現在求めている、その問題を解決してくれるのも感謝だが解決してくださらなくても感謝だ。神様はそれよりもっと貴い恵みとご計画を持っていらっしゃるからである。
外側人間の祝福も大事だが、完全なる祝福である内側人間の祝福が貰えるように祝福する。これを通じて涙の感動の歴史が共に起きる。
チソン姉妹が火傷で入院している時に大勢の信者たちがこのように祈ったと言う。
「イ・ヨンキュウ牧師先生を治療してくださった神様、チソン姉妹も綺麗に治療してください。」
これを聞いた瞬間、まるで私が信仰の先祖になったような妙な気分になった。私が火傷の先輩として神様から奇跡のような治療を受けたことがあるからである。
20年前、日本で私も大火傷を負った。火傷の苦痛が死よりもっと苦しい事だとその時私も経験した。当時、私は顔の方に大火傷を負ったので2人の医者から私も治療を受けた。外科の先生と皮膚科の先生であった。2人の方からの診断は、他の箇所は可能性があるけれど、顔は３度の重火傷を負ったので絶対に回復できないということだった。だから希望がないときっぱり仰った。一人でもなく、2人の専門家が言うことなので天が崩れてしまうようであった。世の中に希望がないことを確信した私は聖書から希望を見つけ出し始めた。一日中聖書を読んで神様に命をかけてお祈りした。「もし、聖書の中の神様が本当に生きておられるなら私の顔を元に戻してください。そうしたら私がその神様を伝える僕になります」と数え切れないほどこのお祈りをした。
そんなある日、医者の先生が治療するために入ってきた。包帯を少しずつ解いているようだった。医者の先生が言葉を失った。その瞬間、私はなにか大変な事が起きたと思った。「やはりお祈りも効果がないし、神様も出来ない事があるな」「どれほど傷が酷かったらお医者様が言葉まで失ったのだろう」こういう思いに包まれていたが、ようやくお医者様が口を開けた。「これは本当に嘘みたいですね。」鏡を見た瞬間、私が見ても本当に嘘みたいだった。神様がお祈りに答えてくださって私の顔を傷も、ホクロもなく綺麗に元に戻してくださったのだ。それで私は神様との約束を守るために牧師になってこのように神様が生きておられていることを明かしている。
顔は奇跡のように回復されたが、祈っていなかった他の箇所は酷かった。特に、肩の部分は今も酷い傷が残っている。私はこの傷のせいで半袖が嫌いだった。銭湯に行くのも嫌いだった。他人に醜いものを見せるのが辛かったからだ。ところが、ある日仕方なく銭湯に行くことになった。シャワーを浴びながらたまたま鏡を見たら鏡に十字架が映った。私の肩の火傷の傷が十字架の図形をしていることに、私はその時初めて気づいた。感謝の涙がこぼれてきた。「神様が十字架の聖跡を作ってくださったのに、私はそれを恥ずかしがっていた。」その時から私は温泉が好きになった。温泉に行くと服を脱ぐし、服を脱ぐと主が作ってくださった十字架が自然に見えるから。他の人は銭湯に伝道用紙を持って入れないが、私の体は水に濡れない、銭湯でより輝く伝道用紙なのでどれほど誇らしくて感謝なことなのか分からない。
「聖書の神様は本当に生きておられる。」
聖書の御言葉はその通りになる。
これが私の賛美であり、証である。