指導者の道(4)

御言葉//申命記17:14-20

1. 聖書が作った人
人を人らしくさせる最高の本は、聖書である。
アメリカのデパートの創始者、デパート王、韓国ジョンロ2街のYMCAビルを建ててくれた人、郵政省大臣になった人、世界最大の企業を作り、職員の尊敬を受け、皆から愛されて最高の市民という名で銅像まで立てられた人。その人が、ジョン・ワナメーカーである。
彼が84歳だった1921年、事業家として60年を迎えた記念式場で、ある記者が彼に聞いた。
「会長、今まで投資したことの中で、一番成功的な投資は何だったんですか。」
彼は、待っていたように自信満々で答えた。
「10歳の時に、最高の投資をしたことがあります。
その時、私は2ドル75セントを払って、かわいい皮の聖書を一冊買いました。
それが、私の人生によって一番偉大な投資だったのです。なぜならば、その聖書が今の自分を作ったからですよ。」
記者が再び聞いた。
「では、聖書を買うだけで成功しますか。」
「違います。まず、神様を信じて、御言葉を実践しなければなりません。
神様を信じて、楽しく仕事をしていくと、成功はいつの間にか自分のそばに来るものですよ。」
ワナメーカーは、聖書一冊を買うために、10歳の幼い時に父の煉瓦工場で1年半の間も煉瓦運びの仕事をした。彼は、一生懸命聖書を読んで、実践しただけでなく、67年間も日曜学校の教師として子ども達を教えた。
まさしく、イエス様がおっしゃった、天国で一番大いなる者の人生を生きていたのである。
それで、彼は実際大きな人物になった。
「それ（御言葉）を守り、そうするように教える者は、天の国で大いなる者と呼ばれる。」（マタイ5:19）
聖書には、人を変化させる神秘な力がある。この聖書に常に親しまなければならない。
聖書に親しむ人は祝福される。（ヨシュア1:8）ワナメーカーはこう話した。
「聖書を日曜日だけ使う人は、惰弱な人生を生きることになる。」
あなたの人生はどうか。
日曜日に教会でだけ聖書を開いて、説教の本文だけ読み、一週間ずっと閉じておかなかったのではないか。
一週間にやっと食べさせるご飯だけ食べている人と、毎日定期的においしいご飯を食べる人は、力を使うのが違う。
人生のエネルギー源は、御言葉にある。惰弱な人生をいきたくないなら、あなたの人生に毎日御言葉の生命水を供給してみよう。きっと、御言葉があなたを回復してくれるだろう。
「この預言（聖書）の言葉を朗読する人と、これを聞いて、中に記されたことを守る人たちとは幸いである。」（黙示録1:3）
御言葉はお祈りともつながっている。ただお祈りするだけではいけない。まず、御言葉で天の扉を開いておいた後、祈らなければならない。自分が神様の御言葉に目をそらしているのに、神様があなたの祈りを聞いてくださるはずがないだろう。
自分がまず神様の御言葉に耳を傾けないと、神様も私たちの祈りに耳を傾けないということは常識である。
「教えに耳をそむけて聞こうとしない者は／その祈りも忌むべきものと見なされる。」（箴言28:9）
祈りで天の扉を開くためには、まず御言葉に対する自分の心の扉が開かなければならない。
祈る態度より先にすべきことは、御言葉を頂く態度である。
祈りが答えられることを望むか。まず、御言葉に対するあなたの態度が、神様の御心に適うようにしなさい。

2.  3つの祝福
指導者が御言葉に熱心し、読みと学びと行いの人生から離れないと、神様は彼に3つの大きな祝福を約束される。この祝福について詳しく見てみよう。

1) 心の祝福
「そうすれば王は同胞を見下して高ぶることなく」（申命記17:20)
一番目の祝福は、心の祝福である。心が謙遜になり、人間関係に成功する祝福である。
本当に治めにくいことの中の一つが、謙遜である。少しでもよくなると、知らないうちに高ぶりたいのが、人間の心である。これを守るのがいかに難しかったか、世界的な霊的指導者だったムディー牧師先生も、「謙遜になりますように」という祈りを毎日神様にささげなければならなかったようだ。私たちをずっと謙遜の中で守ってくれる力は、御言葉の生活である。御言葉と共にいる人は、決して傲慢にならない。「 神は高ぶる者に敵対し、へりくだる者に恵みを与えられるからです。」（ペテロ一5:5） 名誉に先立つのは謙遜であり、破滅に先立つのは心の驕りであることを忘れてはいけない。（箴言15:33, 16:18, 18:12)
驕慢は、人間関係に壁を作るが、謙遜は人間関係に橋を渡すという。
謙遜の能力は、ただ聖書を通して与えられる祝福の中の祝福である。
謙遜になりたいか。毎日聖書を読んで、黙想し、守って行いなさい。あなたの心が謙遜の宝で満たされるであろう。

2) 人生の祝福
「この戒めから右にも左にもそれることなく」（申命記17:20)
二番目の祝福は、人生の祝福である。これは、また御言葉（命令）を通した神様との関係が良くなる祝福である。御言葉の道を歩んでいく時、神様との関係が最も円満になる。神様が一番喜ばれる「人生の道」は、「御言葉の道」である。家庭がうまくいくためには、夫婦関係がむつまじいことが必要であるように、人生が祝福されるためには、神様との関係がよくならなければいけない。
新約と旧約の御言葉は、神様が作ってくださった「人生の両レール」である。人生の汽車がこの道の上だけにいると、いつも安全で、高速で走ることができる。脱線してはいけない。汽車が線路から右か左にそれてしまうと大型事故に遭うように、人生が御言葉の道から脱線すると、いかに危ないことだろうか。人生が安全で成功する祝福は、ただ「御言葉の人生」にある。毎日御言葉と共にいる人には、脱線の恐れがない。
神様は、ヨシュアにも同じ御言葉の処方で彼を脱線から守ってくださった。
「律法をすべて忠実に守り、右にも左にもそれてはならない。そうすれば、あなたはどこに行っても成功する。」（ヨシュア1:7）
人生の安全と成功の祝福は、ただ「御言葉の人生」にある。

3) 子孫の祝福
「王もその子らもイスラエルの中で王位を長く保つことができる。」（申命記17:20)  
3番目の祝福は、子孫の祝福である。これは、子どもとの関係が最も良くなる祝福でもある。この世の両親の願いは、全部子どもが成功することだろう。子どもが成功することなら、何でも惜しまない。ここに、子どもが成功する秘訣がある。それも、ただ成功することではなく、子どもが王位につく程成功する方法である。
では、その秘訣は果たして何だろうか。両親がどうすれば、子どもがこのように成功することができるか。お金をたくさんあげればいいか？塾にたくさん通わせればいいか？説教（？）をたくさんすればいいか？会社を譲ればいいか？違う。神様の秘訣は本当に簡単である。両親が「御言葉の生活」を生きると、それが子どもに最高の祝福だという。「子孫がイスラエルの中で王位を長く保つことができる」とはっきり約束されたのではないか。両親がいつも御言葉を読んで黙想し、守って行う人生こそ、子どもには最高の薬であり、子どもにやってあげられる最高のプレゼントである。これは、財産を譲ることより、勉強をたくさんさせることよりはるかに大事な遺産である。
子どもに他のことより自分の「御言葉の人生」を譲ってあげる両親こそ、最高の遺産を子どもに譲ってあげる両親である。
聖書は、これについて数多く約束されている。
「主に従う人は完全な道を歩む。彼を継ぐ子らは幸い。」（箴言20:7)
「わたしを愛し、わたしの戒めを守る者には、幾千代にも及ぶ慈しみを与える。」（申命記5:10, 7:9, 出34:7)
「若いときにも老いた今も、わたしは見ていない／主に従う人が捨てられ／子孫がパンを乞うのを。」（詩篇37:25)

この祝福については、誰よりもダビデが生きた証人になる。
ダビデは申命記17章の「王の道」をそのまま歩み、神様が約束されたその通りの祝福を、子孫が代々に受けた人である。
神様は、ダビデの正直な「御言葉の人生」により、息子ソロモンを王位に立たせ、孫レハブアムを王にし、曾孫アビヤムが悪いことにも関わらず、曽祖父が「御言葉の人生」を生きたため、その報いによって王位につき、その息子にも王位を与えられた。（列王記上15:1-5)
ダビデが一生、神様のすべての御言葉を破らず生きていたのが、子孫代々にこのような大きい祝福になったのである。（列王記上15:5）
子どものために何をしてあげたいか。
子どものための最高の投資は、両親が聖書の人になることである。
子どものために聖書を読みなさい。
子どものために聖書を黙想しなさい。
子どものために聖書通りに生きてみなさい。
ダビデの家系があなたの家系になるのであろう。
その祝福の実を、神様はあなたの子どもにきっと与えてくださるだろう。
「両親の現在の御言葉の生活が、
子どもの未来の王位を決める。」
子どものためにお金をたくさん儲けることより、御言葉の人生をきちんと生きてみよう。
本当に子どもを愛しているか？では、聖書をまず愛しなさい。
子どもである者よ！両親にお金や財産を望むのではなく、
両親が神様の御前でダビデのように真実な「御言葉の人」になることを望みなさい。
毎日に言葉を読む両親、
毎日に言葉を黙想する両親、
毎日に言葉通りに生きる両親を持っている者は、世にうらやましいことのない、祝福された子どもであることを分かってほしい。