誰の話を受け入れるのか？

聖書に最も邪悪で愚かな王が一人出てきます。彼の名はアハブです。特に病もなく健常者だった彼が急に死を迎えることになりました。アハブはラモテ・ギルアデを攻め上ろうと企てました。それで、南ユダに力を合わせてシリヤ攻撃に加わらないかと持ちかけました。その時、信心深いユダ王のヨシャパテは　‘まず、主に伺いを立ててみようではありませんか？’　　　と戦争を起こすことに関して、預言者たちに聞いてみることにしました。

その時、預言者たちから二つの異なった意見が出されました。一つは、攻め上ろうとの意見でした。そうすれば、きっと神様がラモテ・ギルアデを与えるだろうとの預言でした。この予言は400名の預言者たちの一致した意見でした。ところが、最後に登ってはいけないとの預言が出てきました。もし、戦争にいくとアハブ王は死んでしまうとの内容でした。しかし、この予言はミカヤというただ一人の口から出たものです。

確率的に考えてみると当然上がって戦うのが正しいです。民主主義的な考え方なら400名の意見を受け入れるべきです。それ故に、アハブ王ご自身の計画も攻めあがることでした。ですから、400名の意見がよりよさそうに聞こえるはずです。それで、二人の王は400名の預言を採択して戦に上がりました。

王が変装までもして戦場に臨みましたが、思わず弓を引いた一人の過ちによって矢がアハブ王の鎧のつなぎ目を突き抜いてしまいました。結局、アハブ王は戦場から出れずに血を流しながら亡くなりました。アハブ王は死にながらきっと大きく後悔したのでしょう。‘なぜ、私はミカヤ預言者の話を信じなかったのか？彼の話を聞き受けしたのならこのように悲惨な死には至らなかったんだろう。。。’

私達みんなの人生には必ず、選択の岐路があります。それこそ私が選んだことによって、人生の行方が完全に違ってくるのです。アハブ王のように生死が分かれることも有りうるのです。人生は選択の結果です。もしかすると、人生において選択より大事なのはないかも知れません。肝心なのはこんなに重要な選択を果たしてどうすればいいのかのことです。

アハブのように自分の好きなことを選ぶのも、多数の意見を選択することも正しくありません。もちろん、瞬間の感情に左右されて選択するのはより危険です。人生には必ず二つの道が我々を招待します。両方ともに正しい道、万事が上手く行ける道、命の道であると訴えます。ところがその中の一つは必ず、誘惑の道です。ソロモンは神様にひたすら‘人に耳を傾けるこころ’をくださいと祈りました。

「9 どうか、民を正しく治め、善悪をはっきり見分けるために、すぐれた判断力と聞き分ける心とをお与えください。いったいだれが、自分の力でこれほどの重い責任を果たせるでしょう。（列王記第一3：9）」

 ‘聞く心’それがまさにあの有名なソロモンの知恵でした。聞いてみて真と偽りを弁えるのが知恵中の知恵です。今日も我々の耳には‘やれ、行け’という言葉と‘やるな、行くな’という言葉が両方聞こえてきます。だれの話を聞いて従うのかは自分の役割です。自身が選ばなければなりません。知恵は選択から表われます。選ぶことをみるとその人がどんな人なのかがわかります。‘主よ！私に聞くこころ、わきまえるこころをお与えください。主の御心を悟らせてください。’